weissenborn を入手するまで

WEISSENBORNというマニアックなギターをこれまた日本では全く無名のFlorian Chateauというルシアーにオーダーするという人柱的な一部始終です。多くの方に読んでもらうブログではありません。たまに過去記事に加筆修正します。コメントはどなたでもお気軽に!

最後に

10ヶ月間このblogを書いてきましたが、これでおしまいです。

ありがとうございました。

 今後製品上の大きなトラブル(例えば、弦のテンションでブリッジが.....とか日本の気候で....とか)がなければ記事の更新はありません。

 

あとはFlorianが僕のギターがまだ彼の手元にあった頃、動画を撮ったらしいので、それがYoutubeかどこかにアップされたらこのページに貼り付けておきます。

では。

 

 

 

 

このBlogを役立ててほしい

Florian Chateauに頼んで正解でした。満足度高いです。それに8ヶ月間いい経験だったと思います。

日本人はギターと言うとフランスとはジプシージャズを除いてあまり連想しないと思いますがワイゼンボーンタイプのギターを虎目の入った(多い少ないありますが)木材でオーダーするなら強くおすすめできます。(アコギやウクレレは僕にはわかりません)

逆におまかせでやるのはちょっとリスキーかと。

音色や仕上げは変わらないと思いますが、木目がはっきり浮き出るタイプのギターです。普段から目に入るので、あまり好みのものでない場合,せっかくのギターが残念なものになってしまいます。材選びから自分の好みを反映したほうがいいです。(ちなみに彼の場合、STYLE3,4は普通にそれができる。STYLE1、Tear dropは300€別に払わないとできない。STYLE2は知らない)

自分の好みが反映できるのがオーダーメイドの醍醐味。最初に彼とよく打ち合わせしてください。 

彼も多くのギターを作った経験から親身になって相談にのってくれるはず。

 

私がオーダーしようと決めてから納品まで脚色なしに一部始終を書いてきました。

人柱的性格も多分にあったブログなんで、この一部始終を参考にしていただけたら光栄です。

あと、ワイゼンボーンエクスペリエンスというブログも大いに参考になります。是非、一度ご訪問ください。

僕が、ここまでたどり着けたのも、このブログのおかげ。

 

shout3961.wixsite.com

言い忘れましたが.....

支払いはすべてPayPal.

なにはともあれ海外にオーダーするのならPayPalのアカウントだけでも取っといたほうが吉。

ただし日本の消費税は配送の運ちゃんに現金払い。

 

僕の楽しみ方

 

残念ながら昔のようにバンドを組んで演奏するなんて予定はない。

大きな目的は、以前のように家でギターを弾くこと。

しかも家族の前で。 

(もう、無印良品の人をダメにするソファーに座って弾いてます。すげー下手くそで自分でもやんなっちゃう。当たり前ですが、これまで見てきた彼の作品の動画と同等かそれ以上の音がしますよ。すげーいいです。一時期、オリジナルのワイゼンボーンを所有してましたが、それよりよいです。)

 

15年くらい前までは家族がいる居間で、よくギターを練習していた。

でも訳あって、自室にこもってギターを弾くようになる。

 

高校生の時、漠然と目指していたのは”ベランダで一人、ブルースギターを弾く変なジジイ”だった。今でもそれは変わってないのでそれを目指すことになりそう。そろそろジジイになる一歩手前の年齢になるので、他人の迷惑にならない程度に遠慮せず自分をさらけ出す。

 

自分の欲求を満たす面もあるが、家族の前で奮闘している親父をみて、家族が「ああ 本当にギターが好きなんだね」 と思ってくれればそれでいい。下手くそなギターでごめん。

 

なぜ、数年も待てないか

今の僕はコード押さえるのも結構ゆっくり。

コードチェンジが遅くて1曲スムーズに弾けない。

 また、右手のアルペジオができない。 

関係のない、隣の弦を弾いてしまう。

 

15年ほど前までは普通のギターを愛するおっちゃんでした。

この症状は 厄介なことにユックリと進行している。

なので、数年待つ訳にはいかないのだ。

今、ほしい。

 

トム・ダウティーをご存知だろうか?

イギリスのブルースマンでワイゼンボーンやナショナルのトライコーンをプレイする。私は彼のギターではなく歌声が好きなのだ。

(彼のワイゼンボーンはBear Creek。 STYLE3タイプかな?)

スライドバーの持ち方が独特。車椅子に乗ったままプレーする。

体幹を支えるのであろう白く太いベルトをしているときが多い。

 

下の動画で言っているが、若い頃、脊髄損傷の事故、病気?でハンディキャップを負ったらしい。

www.youtube.com

www.youtube.com

 

ちなみにスカイプでの個人レッスンもしているようで40分で20ポンド。高額ではないので、そのうち...... そのまえにもっと練習しなきゃ。

 

短所 あーすりゃよかったなあ などなど

長所を書いたなら短所も書かないわけには行きません。

 

以下は過去に思いついた都度書いてたので、変な影響はないと思います。例によって以前記事したやつは小さい字。

 

【残念なところ】順不同。思いついた順。

プライスリストはVAT(日本の消費税にあたる)ぬきだよと6月に言ってくる。4月の段階ではVAT込だと言っていたのに。

EU各国のVATって20%前後だから結構でかい。

 

材選びにこだわり、途中ハワイのサプライヤーかましたからか、納期が長い。フランス税関でひと月足止め食らったときも税関から手紙が来て対応。(彼はすぐに動いてくれるのはいいが)

まあ、だれにギター制作を頼んでも納期がカタログどうりってことはないな。

 

木目を選ばないオーダーもできる(そっちが普通)が、初期よりKOAの木目が悪くなっていると感じるので、黙っていると残念なものができる恐れがある。ここはズケズケと好みや要望を伝えたほうがよいと思う。

 

常に外国人と日本人の感覚の違いを意識する必要もある。我々には普通のことでも向こうにとっては普通ではなかったりする。ノーマルなオーダーでも作成し始める前、材を決める際等要所要所で確認要かと思う。

 

ヘッドストックもボディーの色にできるだけ合わせたかった。あらかじめ、指示すべきだった。(指板は前もって指示していたのでそれで安心してしまった。)KOAのボディー材、指板はヤスリがけしてなんぼのところは有る。指板は加工前は良い色合いだったが取付時以降は、若干赤みがかっている。ボディー材も加工前にはわからなかったシミ(みたいなやつ)が数箇所に出た。ただこれは塗装が進むにつれ目立たなくなった。

【追記】

実物を見ると指板はかなりいい感じ。気になるようなスジもなく、ボディーの色と同系と言ってよい。また若干虎目があるのが、弾いてると眼に入る。結構カッコいい。

シミ(みたいなやつ)はブリッジとサウンドホールの間に多い。

つまり弾いてると右手の下になるので見えない。 

ヘッドストックだけ変わらず。やや赤系統。

まあ、でも弾いてるとほとんど目に入らない。

 

 

材を入手する際のサプライヤーとのコネクションがまだ弱い気がする。

そのため、”すべておまかせ”みたいのは禁物かと。

 

以下、以前一度リストにしたやつ。

 

日本では無名で情報もまったくない。
なので、信頼して全てお任せ っというわけに行かない。フランス人と日本人の感性の違いもあると思う。

気に入った材を入手するまで半年でも1年でも待とう!というスタンスではないようだ。(かと言って、すぐにでも作ろうという強制は全く感じない。「だめ」といえば「分かった」となる。)

 

材の選び方に若干の非効率さを感じた。

これ、どう?ー>だめー>じゃあこれは?ー>だめ  っとえらく直線的。まあ、裏を返せばこういう良い意味での手際の悪さもいいのかも。カタログ見せられて、はいこれって手際良くサクサク進められても「いいのかなあ?これで」と疑問が残るはず。

まあ、この辺の塩梅、計算してやっているわけではないと思いますが。

 

長所 

フランスって言うとギターをオーダーする際は敬遠がち(除、ジプシージャズ)。僕も最初はそうでした。やっぱアメリカ(ハワイを含む)だろ?イギリスだろ?っと思ってました。

 

誰に頼むにしろ相手が外人だったら考え方、感じ方は全く違うと思っておいたほうがいい。日本人同士なら”阿吽の呼吸”もあるけどその他の人たちはそんなの無くて当たり前ですから。

 

ギターが来たばっかりで今は良いことばかり考えちゃいますが、これは過去に思いついた都度書いてたのでそういう影響はないと思います。

以前一度リストにしたんですがそれも合わせて。(小さい字のやつ)

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 

【いいところ】順不同。思いついた順。

オリジナルと同じシュラック塗装である。

(AUNDERWOODはニトロセルラッカー仕上げ。トニーフランシスは知らない。多分シュラック塗装。彼ら2人のオリジナルに対するリスペクト、こだわりを感じる)

 

メールで質問や確認を送ると1日かからずに必ず、丁寧な返事が来る。

最初の問い合わせから終了までのメールのやり取り約150回。

状況を問い合わせるとちゃんと説明してくれる。

 

代理店を通さずに直接オーダーできる。無意味な中間マージンがない。

 

今までは、誰もが持つイメージしかなかったが、良い意味でフランスに対し、今まで以上にすこしだが興味を持つようになった。

 

オーダーの発注からKOA材の選択、作製、日本向けの発送まで終始、信頼して進めることができた。(ハワイでのキラウエア火山噴火やフランスの通関issue だけ悩まされた)

 

制作に入りupdateを数枚の写真入りで送ってきた。作業の内容や進捗状況がわかり完成が待ち遠しく、updateのたびに一日でも早く手に入れたい気分が高まってくる。すべてのオーダーにこうやっているのだろうから大変だろうが、オーダーした側からすれば、これは丁寧で良い演出だと思う。

 

値段に魅力のある品を数多くという姿勢ではなく、安くはなくとも一台一台彼の手で組み立てるという彼のビジネスモデルに共感する。

為替レートや値段の安さに惹かれて他のルシアー、メーカーにオーダーしなくてよかった。(彼の製品の値段が高いというわけではない)

 

オーダーメイドだったのであーだこーだ言って見た目の好みを十分に反映できる。(ボディー材の選択、指板など。 作成が終わって久々に他のルシアーの作品を改めて見るて「ああ、ここに注文しなくてよかった」と正直思った。)

 

オリジナルワイゼンボーンの1927年製を完コピしている

オリジナルの完コピしているルシアー3人(トニーフランシス、AUNDERWOOD, Florian Chateu)の中では、唯一emailでまともにやり取りできる。(2018年春現在)

納期(最短5ヶ月)、価格がリーズナブルである。

彼はフランス人ですが英語でのコミュニケーションは全く問題なし

塗装がオリジナルモデルと同じ且つ艶のあるシェラック塗装(個人の好みですが) 塗装はオリジナル以上との評価もある。

音がキンキンしすぎていない(これも個人の好みです)

材の購入までお金の支払はない

アジアンメイドとかネットに頻繁に広告を出し、出来合いのカタログ販売で手広く商売しているルシアーではなく、客の意向を丁寧に聞いて作品に取り入れ一つ一つゆっくり完成させていく姿勢がとても良い。



これまでの時系列

時系列

2018年

2月    久しぶりに買うギターをどういうものにするか思いを

                       ふくらませる

3月上旬   ワイゼンボーンで何がほしいのかコンセプトを固める

3月上〜中旬 いろいろな海外ルシアーに問い合わせ

       YOUTUBEでワイゼンボーン関係の動画を見まくる

       ビンテージやルシアーの中古品などを漁る。

3月上旬  各ルシアーの反応、自分の好みからAnderwoodに

                      照準を合わせる

3月中〜下旬 Anderwoodに連絡を取ろうとメールを送るが、返信な  

                         し。コンタクトを取るためe-mail,FB,電話はたまた

       書簡など、あの手この手でコンタクトを試みる。

       FBのメッセージで一度だけ返信があった。

4月初旬   Anderwoodからの連絡が途絶えた。あまりにコミュニ

       ケーションできないので、他のルシアーに探りを入れ

       る。

4月11日  方針転換 Anderwoodを諦める

4月14日  ルシアーを日本では全く無名で情報もない「Florian

       Chateu」に決定。彼にStyle 1を注文。合わせて自分の

       好みを別紙で伝える

4月22日  材の候補第1段提示 ー>すぐに断る

4月26日  材の候補第2段提示 ー>すぐに断る

5月1日   ハワイのサプライヤーに照準を合わせる

5月上旬   キラウエア火山噴火

6月14日  サプライヤーから候補の提案ー>材の決定

       新しいロゴマークの確認

6月20日ころ  材がフランス着

         フランスの気候に慣らすため工房内で放置

7月5日ころ 制作に入る 予定

^ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ここまで7/3に一度記事にしたが、その後こちらで若干加筆訂正。

 

7月17日  まだ材が彼の工房に到着していない。

                     (フランス通関の問題であることが判明。前にも、まと

                        まった数を注文したときに1回だけ、価格超過で、す

                        んなり通関できないことがあったそう。今回も多分お

                       なじく価格面の理由だろうとのこと)

 

7月31日  なんと通関の担当者が夏休み中で、材はまだフランス

                         税関にあると。

       Florianは別の担当者あて書類を再提出。

 

8月18日        材が彼の工房に到着。 材自体にはトラブルもなく。

                         このあと彼の工房で2週間、環境に慣らすため放置。

       その間、彼は1週間夏休み。 初の支払い

 

9月5日ころ       作製開始したらしい。作製にひと月、塗りにひと月。

       11月初旬の出荷を目指すらしい。

 

9月13日  BACK板、どちら側を外側に向ける?と問い合わせが

       来る。

 

9月20日  彼からの連絡が途絶える。

       作業報告どころか、そろそろ2回目の支払いじゃ

       ね?っと聞いても返事がない。ちょっと心配。

 

9月21日  TOPとBACK、それぞれの中央部分の接着

 

9月27日  back のブレイシング、logoマークなど 接着完了

       front ロゼッタの溝切り完了

 

9月28日  2回目の支払い

 

10月8日  上記溝へのHolly woood(西洋ひいらぎ*)埋め込み

       top のブレイシング完了

       * メイプルより白い木で、ワイゼンボーンではロゼ

        ッタやロープバインディングに使われるそうだ。

 

ーーリペア、調整も含めオーダーが立て込んでいて結構忙しいとーー

 

 

11月7日  3回目のupdate。

       ほぼ組み上がっていてあとはTop,Back,Sideを接着し

       箱にする。(この週末、作業するらしい)

 

11月8日  4回目のupdate。

       型から出た

 

11月20日 5回目のupdate。

       フレットボードを2つの候補から選ぶ

       現在の出荷目標は12月15日。

 

11月22日 3回目の支払い

 

12月1日  6回目のUpdate

                      シェラック塗装終了

 

12月8日  7回目のUpdate

                      セルロースコート終了

       現在の出荷予定は12月18か19日。

 

12月21日 8回目のUpdate

                      ブリッジが付きバフがけがほとんど終了

       現在の出荷予定はXmasあとか来年。

 

12月22日 出荷日を1月2日 日本到着を7日 に決める。

 

12月28日 日本への出荷料290€を払う。

 

12月30日 完成

 

12月31日 追加で写真3枚が送られてくる。

 

2019年

 

1月2日 予定どうり彼の工房から出荷

 

1月3日 4回目、5回目の支払い完了

              前もって僕のプレイスタイル(よく使うチューニング)を知

    らせておいたので、その上でのおすすめの弦とギター保管

    の湿度についての説明がある。

 

1月7日   到着